なぜクレームをいかせないのか
クレームの重要性についてお店や企業の認識は高まっているといわれています。しかし、いまだにクレーム対応はマイナスイメージのものであって、担当になることはあまりうれしくないものです。
確かに、誰でも他人から怒られたり、文句を言われたりすることは嫌なものです。しかし、クレームはいうまでもなく経営資源であり、クレームに対応しているスタッフ個人を非難しているわけではありませんので、もっと理性的に仕事として処理することができるはずです。それがわかっていてもクレーム対応はネガティブなイメージのものとして捉えられていて、そのようなイメージが付きまとうがゆえにクレームを経営資源として活用していくことを妨げているのです。
理不尽さに耐性がない
日本人はあまり議論や論争をしない国民性だといわれています。そのため、意見や主張を戦わせて一つの合意を形作っていくことが苦手なのです。クレームを下さるお客様自身もクレームのつけ方が極端になりがちなのです。日本人は普段から議論・論争の訓練をしていないため、仲良く話すかケンカ腰に畳み掛けるかの2通りしか知らないのです。
スタッフも同じように、あまり議論になれていないために、理不尽に激昂したお客様に恐れを感じ、とてつもないストレスを受けるのです。ただ、怖がり、時にはパニック状態におちいり、理性的に解決していくということができないのです。お客様もスタッフも言葉で意見を戦わせるという経験や文化が浅い・ないということがクレームに対する拒否反応の根にあるのです。
トラウマ化
過去のクレーム対応の経験が悪い記憶として残っており、クレームがトラウマになっている、なりやすいということです。「以前は、誠心誠意対応したのお客様は最後まで認めてくれなかった・・」というトラウマが「どうせ、なにをしても無駄だろう」といった諦め感、「下手に出れば、客に侮られる!」などといったケンカ意識を持たせてしまうのです。
実りが少ない
多くの場合、クレーム対応は笑って終わることがありません。クレームを寄せてくださるお客様は最初激昂されていることが多く、その分、お店や会社が十分な対応をしてくれたとしても、心から「ありがとう」という気にはなれず、最後まで不満の弁を述べて終わることになるのです。
普通、お客様とのコミュニケーションではこのような消化不良は少なく、それなりに達成感があるものです。しかし、クレーム対応では多くの場合達成感がなく、嫌な後味ばかりが残るのです。そのためクレーム対応はしたくないというマイナスイメージにつながるのです。
マニュアルやシステムの欠陥
会社やお店単位でクレーム対応のマニュアルやクレーム対応・経営への活用システムを整備する必要があるのですが、多くのお店、企業ではこのような整備が進んでいません。そのため、クレーム対応がスタッフ個人個人に過大に負担になっているのです。クレーム対応は個人の経験や簡単な指導では十分に対応できるものではありません。
このように、クレーム対応を積極的なものとして考えられない日本の文化があるのですが、これを克服していくためには、やはりマニュアル化とシステム化が必要なのでしょう。システム化されているならば、クレームは淡々と処理されるようになりますし、スタッフの精神的な負担が減少します。ただし、これは機械的にクレームを処理することを意味するのではなく、そこには、あくまで人間性を宿していなければならないのです。
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