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クレームをサービス改善に役立てるには

接客サービスの現場に長くいると、お客様からのクレームを受け流すような免疫ができてしまうかもしれません。もしくは、クレームを迷惑に思うスタッフも居るかもしれません。しかし、大規模調査による分析から、お客様からのクレームには全体として妥当性があるということがわかっています。少なくとも、クレームを真剣に検討し、商品サービスに役立てていくことはあなたのお店や会社の将来をより確かなものにしてくれることでしょう。

得られたクレーム情報をスタッフが検討する際、まず検討する者は視点を転換する必要があります。普段、スタッフは「商品やサービスを提供する側」の視点で全てを見てるのです。しかし、クレーム情報を検討する際には、「お客様の視点」に立って読んでください。自分は完全にお客様になりきって、クレームを読む必要があるのです。

商品やサービスをどのように苦労して準備し、どのような苦労をしてお店や会社を成り立たせているのかといった「商品サービス提供者」としての経験も、スキルも、知識も捨て去ってください。全く別の人格となって読むことが必要なのです。確かに、あなたがスタッフとして努力していることは無駄でも、否定されるようなことでもありません。ただ、お客様としてみた場合、何かそこに問題があるのかもしれないのです。あなたの努力を無駄にしないために、今のお店や会社をよりよくするために、クレームを第三者の目で見てください。

このように視点の話を長々とするのは、この視点こそが、商品サービスの改善をする際に大きな障害となるからです。ビジネスで失敗するとき、その経営者や従業員に問題があったということもできるでしょうが、彼らは座して破綻を招いたのでしょうか?そうではないでしょう。彼らなりに努力して、経営を回復させようと色々と試したことでしょう。でも、彼らはとうとう力尽きた。なぜ、彼らの努力は実を結ぶことがなかったのでしょうか。原因はたくさんあるでしょうし、モデルに纏め上げることなどはできないでしょうが、その一つは「視点」にあるのです。

彼らの努力は「彼らが正しいと考えた改善」なのです。あくまで、彼らが改善したらいいと考えたものを改善し、その改善に努力を払ってきたのです。その努力の方向が間違っていたから、回復が実現しなかったのでしょう。彼らの努力はあくまで、彼らの価値判断の尺度から導き出されたものであり、価値判断の尺度が正しくなかったのならば、導き出された努力の方向も正しくないのです。

既存の価値判断の尺度を大きく変え、お客様の視点(価値判断の尺度)に立つことで、今までしてきた努力の方向性とまったく違うものになるでしょう。お客様の視点からクレームを検討し、お店や会社の商品サービスを見直していくこと。それがサービスの質を回復させ、経営改善の新しい方向性が導き出されるのです。