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「強いクレーム」はチャンスの山!

セールスは単なる販売行為ではなく、お客様のニーズを理解し、信頼関係を築くプロセスです。成功するセールスパーソンは、単に商品を売るのではなく、お客様の心をつかみ、共感を生み出すスキルを持っています。特に、現代の消費者は単なる機能や価格だけでなく、販売員とのコミュニケーションや購入体験の質を重視する傾向が強まっています。そのため、お客様との共感(シンパシー)を生み出し、適切な提案ができることが、セールスの現場で非常に重要になっています。

セールスの現場で活きる共感力について理解し、この共感力についての苦手意識をどのように克服するべきかを考えてみましょう。


1. お客様との共感(シンパシー)がセールスを変える

セールスの現場では、お客様との共感(シンパシー)が成功の鍵を握ります。「私も○○○なんですよ。」という一言が、お客様との距離を縮め、信頼関係を築く大きな要素となるのです。

自分が本当に気に入っている商品であれば、その魅力を自信を持って伝えることができます。また、良い位置に陳列しよう、常に手入れをして美しく見せようといった意識が自然と働きます。一方で、あまり好まない商品には意識が向かず、結果として売れにくくなるのも事実です。

しかし、ここにこそセールスの面白さがあるのです。売れやすい商品や自分が好きな商品を売るのは比較的簡単ですが、苦手意識のある商品こそ、工夫次第で売上を大きく伸ばすチャンスになります。


2. 苦手な商品のセールスを克服する方法

苦手な商品を避けるのではなく、その魅力を見出し、自分の言葉で説明できるようにすることが重要です。では、どのようにして苦手な商品をセールスに活かせるようになるのでしょうか。

1) 商品の「嫌い」を分析する
まず、自分がその商品を好きになれない理由を考えてみましょう。洋服を例にとると、

- デザインが派手すぎる?
- 逆に地味すぎる?
- カットが個性的すぎる?

このように、具体的に理由を挙げてみることで、その商品の持つ特徴を客観的に捉え直すことができます。

2) マイナスをプラスに変える発想を持つ
次に、その特徴がどのように活かせるかを考えます。

- ショッキングピンクのTシャツ → 「どんなジャケットのインナーとして着こなせば洗練された印象になるのか?」
- 地味な茶色のロングスカート → 「トップスにどんなアイテムを合わせれば、若々しくおしゃれに見えるか?」
- 大胆に胸の開いたカットのトップス → 「どんな体型の人に最も似合うのか?」

このように考えることで、商品に新たな魅力を見出すことができます。

3) 実際に試してみる

セールスでは、商品を実際に試してみることが大切です。

- 試着してみることで新しい視点が生まれる
- お客様目線での使用感を体感する
- 自分が似合わないと思っていた色が意外に良かったと気づくこともある

このプロセスを通じて、苦手意識を克服し、より説得力のあるセールストークができるようになります。


3. お客様との会話の中で共感を生み出す

セールスの現場では、お客様に共感してもらうことが非常に重要です。そのためには、商品の特徴を単に説明するのではなく、お客様の視点に立った提案をすることが求められます。

1) 「共感」を生む会話術
お客様と会話する際に、以下のような工夫をすると共感が生まれやすくなります。

- 「この色、最初は派手すぎるかなと思ったんですが、ジャケットと合わせたらすごく洗練された印象になりました。」
- 「実は私も最初このスカートは地味だなと思っていたんですが、白のブラウスと合わせたらすごく上品に見えたんです。」
- 「このカット、最初は大胆すぎるかなと思いましたが、ストールを巻くと雰囲気がすごく変わるんですよ。」

このように、自分の体験を交えて話すことで、お客様にも同じ視点で商品を見てもらいやすくなります。

2) お客様のライフスタイルを考慮する
セールスでは、お客様のライフスタイルに寄り添った提案が重要です。

例えば、

- ビジネスシーンで使えるか? →「このカラーは、職場でも悪目立ちせずに華やかさをプラスできますよ。」
- カジュアルに着こなせるか? →「休日のお出かけにぴったりで、ちょっとしたおしゃれが楽しめます。」
- トレンドを意識しているか? →「今年のトレンドカラーなので、今取り入れると一気に旬のスタイルになります。」

このように、お客様の生活に溶け込む提案をすることで、購入への動機づけを強化できます。


4. 「嫌い」は「無関心」より一歩進んでいる

「嫌い」と感じることは、実は「無関心」よりも前向きな感情です。なぜなら、「嫌い」と思う理由を分析することで、その商品の新たな価値を発見する余地があるからです。

- 「嫌い」=すでにその商品に対して何らかの意見を持っている
- 「無関心」=その商品について考えることすらしない

自分が苦手とする商品を克服する過程で、新しい発見があり、販売の幅も広がります。


5. まとめ:苦手な商品をチャンスに変える

セールスの現場では、共感力を活かすことで、お客様との距離を縮め、より効果的な販売が可能になります。

- お客様と共感できるポイントを探し、「私も○○○なんですよ」といった言葉で距離を縮める
- 苦手な商品についても、その特徴を分析し、新たな価値を見出す
- 実際に試してみて、より説得力のあるセールストークを行う
- お客様のライフスタイルに寄り添った提案をする

苦手な商品は、工夫次第で売れる商品に変えられます。そのためには、まずは自分の意識を変え、商品に対する理解を深めることが重要です。

セールスは、ただ商品を売るだけではなく、お客様のニーズを満たし、満足感を提供する仕事です。だからこそ、苦手な商品こそ新たな挑戦と捉え、前向きに取り組んでみましょう。